犬アトピー性皮膚炎の公式




犬アトピー性皮膚炎(AD)= A××××××××




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この公式に基づいて犬の
アトピー性皮膚炎の病態、治療を理解したい。以下にその概要をまとめました。

A(Air):空気中に漂うカビ、細菌、アレルゲン(ダニのフン・死骸、動物の毛など)

B(Barrier):角層のバリアー機能異常

C(Cellular immunity):主に、Th2細胞により媒介される細胞性免疫反応

D(Diet):食餌性抗原

E(Eenvironment):畳・カーペット・厚手のカーテン・絨毯・ぬいぐるみなどでダニが繁殖

F(Fungus):皮膚常在真菌であるマラセチア感染による二次災害

G(Genetics):遺伝

(History):病歴

(IgE)IgE-mast cell 相互作用により引き起こされる一連の反応




公式を利用した犬アトピー性皮膚炎の諸検査の意義


アトピー性皮膚炎の公式を利用すると、実際に行っている検査が何を対象にして行われているかが容易に理解されます。以下にその概要をまとめました。

 アトピー性皮膚炎(AD)= A××××××××

A(Air): 非現実的(空気質分析装置など)

B(Barrier):角層機能 経表皮水分喪失, 角層水分量測定


C(Cellular immunity):細胞性免疫 (Th検査 スノードリーム


D(Diet):食餌性抗原の検索 (除去食試験、アレルゲン特異的IgE検査


E(Eenvironment):ダニなどの環境抗原の検索 ダニスキャン
など)

F(Fungus):カビに対する検査(アレルゲン特異的IgE検査、皮膚スタンプ検査)

G(Genetics):家族歴の聴取

(History):病歴、初発年齢、品種など

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 (IgE):血中のIgE の測定(アレルゲン特異的IgE検査)


アトピー性皮膚炎の公式を利用したアトピー性皮膚炎の治療の理解


同様に、この公式を利用してのアトピー性皮膚炎それぞれの治療法の位置づけを以下にまとめました。






アトピー性皮膚炎(AD)= A×B×C×D×E×F×G×H×I




A(Air): 空気清浄機(HEPAフィルター)、ペタルクレンズ
、エアークレンズ

B(Barrier):いわゆるスキンケアー

 ①入浴と保湿剤(コーンセラミド
、デュクソスプレーなどのセラミド製品の使用)  

 ②
存在する湿疹性病変の治療(ステロイド軟膏の使用)

C(Cellular immunity):細胞性免疫反応の抑制

 ①免疫調整作用を期待したサプリメントの投与(イムロース
、脂肪酸、プロバイオティクスなど)

 ②抗アレルギー剤内服

 ③
タクロリムス軟膏外用

 ④
ステロイドの内服(3日を限度の火消し役)

 ⑤インターフェロンγ注射(季節性掻痒)

 ⑥シクロスポリンの内服(最後の手段)


D(Diet):食事性アレルゲンの除去

 ①除去食療法



E E(Eenvironment):生活環境からダニ、カビなどを減少させる工夫。


 ①防ダニ布団、防ダニカバー
の使用

 ②部屋の掃除

 ③湿度・温度管理



F(Fungus):抗真菌剤の外用ないし内服

G(Genetics):有効な対処方法はない。

H (History) :
生活環境から痒みを増強させるようなストレスの排除、分離不安症など場合によっては行動療法

I (IgE)IgEを低下させる治療法は確立していない

 ①抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の使用

 ②減感作療法(Allergen specific Immunotherapy) 





今回のコラム「犬アトピー性皮膚炎の法則」は東北大学相場教授考案の「アトピー性皮膚炎の法則」を獣医学バージョンにアレンジした内容で、東北大学に許可を得て掲載しております。






<参考文献>

皮膚アレルギーフロンティア 2005.9 Vol1.3 No.3 相場節也 東北大学大学院医学系研究科 神経・感覚器病態学皮膚科学講座教授 アレルギーをめぐるトレンド アトピー性皮膚炎の法則



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